一気飲ませ事件(弁護士 井口寛司)

近畿大学の一気飲ませ、アルコールハラスメント事件。

9名を過失致死罪で略式起訴したと報じられた。

保護責任者遺棄致死罪の構成要件を明らかに満たしている事件である。

 

飲ませて無意識の友人を同じく酔っぱらって寝ている友人のアパートに引きずって連れていき、そこで寝かせた。靴の裏が上向きになったままの引きずりだったようだ。

しかし、連れて行ったのが友人のアパートという家の中だったということをもって遺棄認定は困難、過失致死を適用した検察。

 

過去のアルハラの被害者両親たちは、これまで何度も繰り返し言い続けてきた。

密室に連れて行くなら、なぜ、道に棄てておいてくれなかったのか。その方が、命が助かる可能性が高かった、と。

 

検察は、一般予防の見地からも、弁護人と真っ向から争ってでも公判請求すべき事件だった。

(弁護士 井口 寛司)

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