2 設計のルール
では具体的にどのような設計が可能なのでしょうか。その方法をご説明いたします。まず、株主総会は必須の機関です。また、取締役1名もどのような場合でも置かなければなりません。その意味で、株式会社の機関の最小単位は、株主総会と取締役1名の機関構成とされることになります。これを基本とお考えください。
そして、次のルールに自分の会社をあてはめてください(ただし、説明からは委員会設置会社は除いてあります)。すなわち、次の(@)ないし(D)のルールです。
(@)公開会社かどうか、つまり、株式の内容として譲渡による株式取得について株式会社の承認を要する旨を定款に定めているか否か。公開会社であれば、必ず取締役会を設置しなければなりません(新法327条)。
(A)自分の会社が大会社かどうか、つまり、資本金5億円以上あるいは負債200億円以上の会社かどうか。大会社であれば、必ず会計監査人を設置しなければなりません(328条1項、2項)。
(B)そして、大会社で、かつ、公開会社であれば、必ず監査役会を設置しなければなりません(328条)。
(C)また、(@)による強制でも任意にでも、取締役会を置くと必ず監査役を設置しなければなりません(327条2項)。ただし、会計参与を置く場合は、監査役をおく必要はありません(327条2項但書)。
(D)(A)による強制でも任意にでも、会計監査人を置くと必ず監査役を設置しなければなりません(327条3項)。
3 小規模閉鎖会社の場合
このような機関設計ルールにしたがいますと、非公開で、かつ、大会社ではない会社の場合は、株主総会と取締役1名のほかに、特段法律によって強制される要件が存在しないことになります。
そして、次の選択ができることになります。
@ 3名以上の取締役を選任して取締役会を置くこと。
A 監査役、会計参与あるいは会計参与と監査役の双方を置くこと。
ただ、取締役会を置いた場合や会計監査人を置いた場合は、(C)あるいは(D)の規制がかかってくることになります。この点について、中央大学法科大学院野村修也教授(新会社法A2Z-3号44頁)作成の図が非常に有益ですので、引用させていただきます。
4 会社の規模に応じた選択
これまでは、株式会社組織を選択するがために、会社の規模からして特に必要ではないにもかかわらず名目上の取締役を選任したり、あるいは形式上の監査役を選任するなどして対応する必要がありました。それにより無駄なコストを要したり、場合によっては無用なトラブルの誘因にもなっていました。