第6回 破産法が変わる(1)

弁護士 高 島   浩

1 破産法の改正

新しい破産法が本年5月に成立し、平成17年1月1日より施行される予定です。今回の改正は、大正時代に制定された現行破産法を全面的に見直すものであり、実質的には改正というよりも新法の制定と同視できる内容となっています。

新法は、これまで実務の中で工夫されてきた運用を取り入れたほか、手続の迅速化、合理化、実効性の確保の観点から、新たな制度も導入しました。

今回は、このうち債権届出期間の制度についてご紹介いたします。

2 債権届出期間の厳格化

現在、債権者は、当初定められた債権調査期日までに破産者に対する債権を届け出なくても、債権調査期日が続行される限り特別調査期日を開くことなく債権の届出ができ、調査期日終了後の届出であっても特別調査手続によれば届出が可能となっています。

しかし、配当間近の段階で債権が届けられる場合もあり、これによる破産手続の遅延が問題となっていました。

そこで新法では、手続の迅速化の観点から、民事再生・会社更生法と同様に失権効を伴う届出期限を設け、破産手続開始決定と同時に定められた一般調査期日(期間)経過後は、原則として債権の届出ができないこととされました。

早期に再建計画を策定する必要のある民事再生・会社更生法が届出期間末日を徒過した債権届出を認めないのに比べれば、新破産法は、届出期間末日よりも少し遅い一般調査期日(期間)までの届出を認めていることになりますが、この期限までの届出を怠ると手続参加への途は閉ざされてしまうことになるので注意が必要です。

なお、債権者の責めに帰すことのできない事由により届出が遅れた場合は、その原因が消滅した後1月以内に届け出ることが可能とされていますが、裁判所はよほどの事情がない限り追完を認めない運用を行なうようですので、債権管理に際してご留意下さい。

3 時効中断のための債権届出

このように、債権届出の期間は債権者にとって重要な期限となりますが、これまで一部の実務では、配当が見込めない事件では手続開始時点において予め債権届出期間を定めないという運用がなされており、手続の合理化の観点から新法でも採用されました。

これにより、破産者にめぼしい財産がない事件では、債権者に対する破産通知には債権届出期間が明示されていない場合もあり得ます。

しかし、債権届出期間を定めないことが、債権届出を一切禁止するものではありませんので、債権者が保証人に請求するために消滅時効を中断する場合には、依然として債権の届出が必要となります。

したがって、この場合も時効の完成が間近な債権の届出を怠ることのないよう注意が必要です。