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第24回 改正パートタイム労働法
弁護士 芝 崎 准 一
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最近、いわゆるパート労働者の時給を引き上げる企業や、パート労働者を正社員に登用する制度を創設する企業が増加しています。
こうした企業の対応には、人手不足が深刻化する中で、パート労働者の待遇を改善することにより優秀な人材を積極的に雇用し、また離職率を低下させて人材を確保することにより競争に勝ち抜こうという思惑がありますが、それだけではなく、改正された「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(略称:パートタイム労働法)の施行に合わせたものということができます。同法は、平成5年に成立・施行されたものですが、昨年5月に同法の改正法が成立しており、本年4月1日から施行されることになっています。今回は、この改正パートタイム労働法のポイントについてお話したいと思います。
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この改正パートタイム労働法は、社会経済情勢の変化に伴って、「短時間労働者」の果たす役割の重要性が増大していることに鑑み、「通常の労働者」との均衡のとれた待遇の確保等を図ることを通じて「短時間労働者」が有する能力を有効に発揮することができるようにし、もって「短時間労働者」の福祉の増進を図るとともに経済及び社会の発展に寄与することを目的としています(第1条)。
そして、同法における「短時間労働者」とは、一週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される「通常の労働者」(以下「正社員等」といいます。)の一週間の所定労働時間に比し短い労働者を指すため、「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」など名称は異なっていてもこの条件に当てはまる労働者であれば「短時間労働者」(以下「パートタイム労働者」といいます。)として同法の対象となります(第2条)。
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まず、これまでも事業主が労働者を雇い入れる際には、賃金や労働時間といった労働条件について明示することを義務づけられていましたが(労働基準法第15条1項)、改正パートタイム労働法では、パートタイム労働者を雇用するに際し、@昇給の有無、A退職手当の有無及びB賞与の有無について、書面を交付することなどにより明示することが新たに義務化されました(第6条1項)。
そして、この規定に違反した事業主は、10万円以下の過料に処せられることとされています(第47条)。
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次に、事業主が、@職務の内容や、A人材活用の仕組み・運用及びB契約期間に鑑み、就業実態が正社員等と同様であるパートタイム労働者に対し、パートタイム労働者であることを理由として、a 賃金の決定、b 教育訓練の実施、c 福利厚生施設の利用、d その他の待遇について差別的取り扱いをすることが禁止されました(第8条)。
また、事業主は、上記のとおり就労実態が正社員等と同様であるとまでは認められないパートタイム労働者に対しても、正社員等との均衡を考慮しつつ、その職務の内容や成果、意欲、能力、経験等を勘案して、a 賃金を決定するよう努めるものとされ、またb 教育訓練を実施するよう努めるものとされました(第9条1項、第10条2項)。
さらに、事業主は、正社員等に対して利用の機会を与えるc 福利厚生施設(例えば給食施設、休憩室、更衣室等)については、パートタイム労働者に対しても利用の機会を与えるように配慮しなければならないとされています(第11条)。
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加えて、同法は、パートタイム労働者から正社員等への転換を推進するため、事業主に対して、@正社員等を募集する場合、その募集内容を当該事業所において既に雇用しているパートタイム労働者に周知すること、A正社員等の配置を新たに行う場合に、当該事業所において既に雇用しているパートタイム労働者に配置の希望を申し出る機会を与えること、B一定の資格を有するパートタイム労働者が正社員等へ転換するための試験制度を設けること等の措置を講じるよう義務づけています(第12条1項)。
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以上のような改正パートタイム労働法の施行は目前に迫っています。
同法は、事業主にこれまで以上の義務を負わせ、また配慮を求めるものであり、確かに事業主側からは厄介な法律かもしれません。しかし、パートタイム労働者が基幹的役割を果たすなどその重要性が高まっている中で、その待遇の改善が図られなければ職場の労働生産性を低下させることになりかねません。人材流出のおそれもつきまといます。
同法の施行を機に従業員に対する待遇を見直し、競争力の確保に向け積極的な手を打たれてはいかがでしょうか。
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