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第7回 飲酒運転
弁護士 松 谷 卓 也
■1 飲酒運転の厳罰化
近頃、飲酒運転による交通事故の発生が頻繁に報道されており、飲酒運転の危険性がしきりに取り沙汰されています。
私自身も、弁護士会の活動で、最近、相当軽微な追突事故であったにも関わらず、飲酒していたということで、逮捕、勾留された被疑者の方と接見する機会があり、飲酒運転の事実上の厳罰化が進んでいることを肌で感じました。
■2 酒気帯び運転
ところで、道路交通法上は、「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」が禁止されています。 「酒酔い」とは、アルコール濃度の如何にかかわらず酒に酔った状態で運転する行為をいい、「酒気帯び」とは、酒酔いを除き、身体に保有するアルコールの量が、血液1mlにつき0 . 3mg 又は呼気1 Lにつき0 . 15mg 以上の状態で運転することと定義されています。一般に「風船」を膨らませる検査は、呼気アルコール濃度の検査となります。
具体的には、個人差はあるでしようが、缶ビール1 本飲むだけでも、呼気1 Lにつき0 . 15mg という数値は出てきます。飲酒後の運転は、どれだけお酒に強かろうと、身体に残存した酒量で判断される酒気帯び運転になる可能性は高いのです。
■3 ほう助罪
そして、酒酔いや酒気帯び運転について、それを知りながら止めなかった同乗者や飲食店も、これらのほう助罪として処罰していこうとする動きは急となっています。
企業が主催する新年会や忘年会そして懇親会などで、飲酒をしているにもかかわらず、自動車の運転をして帰る者がいないかどうか、幹部は十分に注意を施すべきであり、その対応が不足するとほう助罪に問われる可能性もあります。
■4 企業の対応
酒酔い、又は酒気帯びをした従業員がいた場合、それが職場外であっても、戒告や減俸だけでは済まず、懲戒解雇(免職)とする動きも多々 見受けられます。
職場外での行為にも関わらず、企業が、労働者に対して、かかる措置をとることができるのは、企業にとっては、その名誉、信用、その他社会的評価を維持することは、企業の存立ないし事業の運営にとって不可欠であり、飲酒をしたうえでの運転という従業員の行為は企業の社会的評価に重大な悪影響を与え、企業秩序を乱すものといえるからです。
すくなくとも現時点のように飲酒運転撲滅が社会周知の認識になってきた時代にあっては、企業の事業の種類、態様、規模、世間の周知度等によっては、懲戒処分とすることが相当な事例は増加するものと思われます。
■5 最後に
「たった一杯だけだから大丈夫だ。」という意識が、被害者に大きな痛手を与え、自分の人生も暗転させてしまうことになります。タクシー代、運転代行費用、ビジネスホテル代は、個人にとっても企業にとっても、比較にならないほど小さな出費であることは間違いありません。
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